選択制確定拠出年金制度について-その2

選択制確定拠出年金制度のメリットは税金や社会保険料の削減です。


一般社団法人確定拠出年金推進協会の藤田です。
まず、従業員(役員も含む。以下同じ。)のメリットです。確定拠出年金制度(以下、DCという。)の掛金は非課税のため、拠出した掛金分の課税対象所得が小さくなり、所得税や住民税が軽減されます。また、掛金は社会保険料の対象外のため、社会保険料を査定する際の標準報酬月額の等級が下がった場合には社会保険料が軽減されます。ただし、標準報酬月額の等級が下がると、社会保障の受給額に影響があります。具体的には、厚生年金のほか、健康保険の出産手当金・傷病手当金、雇用保険の失業手当・育児休業手当・介護休業手当などが少なくなることに留意が必要です。しかしながら、メリット(積みあがった老後資金+税金・社会保険料の削減)とデメリット(受給額の減少)を比較すると、メリットの方が充分上回ると言えます。
次に、会社のメリットです。従業員と同様に、会社の社会保険料が軽減されます(社会保険料は従業員と会社で折半しています。)。ただし、DCの導入に伴い、運営コスト(運営管理業務・加入者教育・資産管理業務に関する費用)が発生します。しかしながら、一定数の従業員がDCを選択すれば、社会保険料の削減メリットによって、充分カバーできるものです。
なお、マッチング拠出(企業が拠出する掛金に従業員が上乗せして掛金を拠出する制度)は、税金・社会保険料などを差し引いた給与の手取り額の中から掛金を拠出することになるので、社会保険料の削減メリットは受けられません。
次回に続く。


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