確定拠出年金推進協会の藤田雅彦です。
「iDeCoをもっと知ろう」というテーマで、4回に渡り、iDeCoにフォーカスして、その魅力を説明します。
2016年9月厚生労働省のプレスリリースの内容です。
個人型確定拠出年金の愛称が「iDeCo(イデコ)」に決定しました
厚生労働省がオブザーバーとして参加している 確定拠出年金普及・推進協議会は、 個人型確定拠出年金の愛称を、「iDeCo(イデコ)」に決定しましたので、お知らせします。
個人型確定拠出年金の愛称募集は、8月1日から8月21日に実施したもので、応募総数4,351件の中から、 愛称選定委員会により選定され、確定拠出年金普及・推進協議会で本日決定いたしました。
「iDeCo(イデコ)」は、今後、協議会等が作成するポスター・チラシなどの各種広報媒体で活用するほか、金融機関等の商品広報媒体、報道の機会にご利用いただき、個人型確定拠出年金制度の認知度向上を図っていきたいと考えています。
■選定理由:
・英語表記の individual-type Defined Contribution pension planの単語の一部から構成され、個人型確定拠出年金をうまく表している。
注)individual:「個人の」Defined:「確定した」Contribution:「拠出」pension:「年金」
また、「i」には「私」という意味が込められており、自分で運用する年金の特徴を捉えていること。
・「イデコ」は親しみやすい響きで、小文字と大文字の交互の組合せが、スタイリッシュでおしゃれな印象を与えること。
■応募者:30代 女性 会社員
注)「30代 女性 会社員」という属性に絞っていることに興味あります。
また、iDeCoの加入者は、2016年までは自営業者の方と会社員の方に限られていましたが、2017年1月からは、企業年金(DB:確定給付年金)を実施している企業に勤めている方、専業主婦、公務員の方を含めて基本的に、60歳未満の成人の全ての方が加入できるようになりました。
2022年3月末現在では、企業型DCの加入者数は、782万人、個人型DC(iDeCo)の加入者数は、238.8万人(企業型DCの30.5%の水準)となっています。ところが、iDeCoという愛称を付ける前の2016年3月末では、企業型DC、548.2万人に対して、個人型DCは、わずか25.8万人と企業型DCの4.7%の水準に留まっていました。
加入者数の推移

なぜ、個人型DCは、普及してこなかったのでしょう?制度の内容は、変わっていません。掛金は全額所得控除、運用益は非課税、受取時も税制優遇(一時金で受け取る場合、退職所得控除、年金受け取りは、公的年金等控除)と様々なメリットがあるのです。
企業型DCの普及は、運営管理機関である金融機関(銀行、生命保険会社、損害保険会社、証券会社など)が積極的に取り組んできました。大企業であれば、1社が契約すると10,000万人以上の加入者が期待できます。加入者数が多いと、それなりに収益も期待できるのです。一方、個人型DCは、一人と契約しても収益は見込めず、手間暇ばかりかかってしまいます。金融機関に個人型を普及させようとする「動機」が無かったのです。
2016年に、厚生労働省と金融庁は、個人型DCを普及させるために大きく舵を切ります。厚生労働省は、加入対象者の拡大と愛称「iDeCo」を発表、さらに、厚生労働省は、iDeCoのイメージキャラクターを制作しました。その名は「いでこちゃん」。シロイルカをモチーフにしたかわいいキャラクターです。なぜ、シロイルカなのか?シロイルカの特徴は「いいおでこ」ですよね。おでこが少し膨らんでいるところがかわいいです。「いいおでこ」と「いでこ」をかけて、シロイルカがモチーフのキャラクターが誕生しました。
一方、金融庁はiDeCoを普及させろと金融機関に大号令をかけました。ある銀行などは、営業職員だけでなく、全職員にiDeCo獲得のノルマを課したと聞いています。
その甲斐あって、2017年以降、iDeCoの加入者数は急増しているのです。