確定拠出年金推進協会の藤田雅彦です。
「iDeCoをもっと知ろう」シリーズの3回目として、iDeCoの制度で知っておくと便利な項目を説明します。企業型DCとの比較もしていきます。
iDeCoは、国民年金基金連合会が運営していることは、以前にご案内しました。国民年金基金連合会は、iDeCo公式サイトを運営しています。
iDeCo公式サイトはこちら
iDeCoの制度として知っていただきたいことは、以下の通りです。
1,掛金の上限額と下限額
iDeCoの掛金の上限額は、国民年金の何号被保険者かで変わります。国民年金の第1号被保険者か、第2号か、第3号なのかということです。聞きなれない言葉かもしれません。第1号被保険者とは、いわゆる自営業者の方です。第2号被保険者は、会社員や公務員の方を言います。第3号被保険者は、いわゆる専業主婦の方を言います。
まずは、上限金額ですが、第1号は68,000円、第2号は23,000円(公務員は12,000円)、第3号は23,000円です。下限は、一律、5,000円となっています。なので、iDeCoで3,000円積立てたいと言っても、それは、できないことになります。金額は、5,000円以上1,000円刻みで自由に設定できます。
第1号被保険者で、国民年金基金に加入している場合は、その金額を差し引いた金額が上限金額となります。例えば、国民年金基金に30,000円加入している場合は、iDeCoの上限金額は、68,000円-30,000円=38,000円が上限金額となります。ここで、注意したいのは、国民年金の1号非被保険者が加入できる付加保険料を納めている場合です。国民年金には、定額の保険料に加えて、月額400円の付加保険料を納める仕組みがあります。付加保険料を納めることで、将来受け取る年金額は、200円×納付月数分増えます。この付加保険料も国民年金基金と同時に差し引かれるので、上記例の場合は、37,000円(1,000円単位の為)がiDeCoの上限金額となります。
第2号被保険者の内、他の年金制度(確定給付年金)に加入しいる場合は、12,000円となります。
企業型DCが、規約によって下限金額を決めているのと違って、iDeCoは、一律5,000円なのが特徴です。
2,掛金の変更頻度
iDeCoの掛金額は1~12月の間で一回変更が可能です。企業型DCが、規約で定めていたり、会社ごとにルールを決めたりできるのと違い、iDeCoでは、掛け金の変更頻度は年に1回と決まっています。
3,ポータビリティの実際
DCは、持ち運びができるポータブル制度が特徴です。企業型DCに加入していた人が時制業者になったりするとiDeCoに加入して、今まで積み立てた年金原資をiDeCoに移換できます。また、iDeCoに加入していた方が、企業型DCのある会社に転職して、iDeCoで積み立てた資金を企業型DCに持ち運べます。意外と知られていないのが、iDeCoからiDeCoに移換できることです。現在加入しているiDeCoの手数料が高いことが分かった時など、手数料の安いiDeCoのプランに切り替えることができます。
移換するときは、運用資産を一旦すべて解約して、「現金」で次のDCに移換します。2か月ぐらいかかるのでタイムラグが発生します。移された資金は、一般的に「元本確保型商品」に自動的に移されます。移換されたタイムミングで、通知が届きますので元本確保型以外で運用する場合は、自身で「スイッチング」を行ってください。
4,運用指図者となる選択
企業型DCは、一旦掛金の拠出を始めると掛金の拠出をやめることができないのですが、iDeCoは、「運用指図者」になることによって、拠出を中断できます。下限金額の5,000円を払い続けることができないと思った場合は、掛け金の拠出をやめて「運用指図者」になりましょう。コールセンターに電話すれば、対応してくれます。運用指図者のコストは、最安値で月額66円です。運用資産から引き落としされますので、別途支払う必要はありません。